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PANERAI パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 カーボテック 3デイズ PAM00616

2025/01/29

パネライの歴史とイタリヤ海軍との関わり

オフィチーネ パネライ(OFFICINE PANERAI)は、現在では時計製造メーカーとして著名な存在ではあるが、もともとは1860年にジョヴァンニ・パネライ(Giovanni Panerai)によりイタリヤのフィレンツェに設立された精密機器メーカーであった。

精密機器のメーカーということもあって、イタリヤ海軍より潜水用時計の製造依頼を受け、当時パネライ一族が経営していた「スイス時計店(Orologeria Svizzera)」で販売していた“ロレックス”からムーブメントや防水ケースの供与もあって(1927年にロレックスでは防水機能である“オイスターケース”を確立している)、パネライはイタリヤ海軍ご用達の時計メーカーとなった経緯がある。

それ以前に、軍需専門の精密機器メーカーとして温度・湿度計、気圧計以外にも、潜水用装備品としても携行深度計や潜水灯などを生産するなど、イタリヤ海軍との結びつきが強かったこともあり、パネライが生産する腕時計は軍用のみで、軍用時計を民間向けに販売することができなかったため、実際に民間の日の目を見るのは1993年のこととなる。

昨今では、パネライは宣伝戦略にも力を入れており、映画俳優シルヴェスター・スタローンはパネライが民間参入した当初より特注品を発注するなどパネライ愛好家としても知られ、彼の特注による「スライテック・モデル」(スタローンの愛称である「スライ」に由来)はスタローン出演映画『デイライト』でも使用され、現行パネライのクロノグラフにも「デイライト」名のモデルがあるなどパネライとスタローンの繋がりは深いものとなっており、パネライの名を世に知らしめたきっかけともなっている。



パネライのデザインと文字盤

パネライといえば、軍用時計を長年製作してきた経緯からデザインは武骨で重量感を感じさせるデザインであるが、これは軍需用として耐久性と実用性を求めた結果であり、潜水用時計としても暗所で確実に時間を読み取れるようにインデックスの発光に注力してきたことが特徴で、特殊部隊の実用時計として使用されてきた特性上、蓄光塗料をいかに効率よく発光させるためにたどり着いたのがサンドイッチ文字盤である。

パネライのサンドウィッチ文字盤は当初3層で構成され、最上部は数字部分を削った状態で穴が開いた状態とし、最下部には夜光素材であるラジオミールを全面に塗布、その上にプレキシガラスのディスクを挟むことでラジオミールを保護するものとし、大量のラジオミールを保持することで夜間は非常に明るく発光するため、特殊部隊員は水中任務の際に発光で位置が悟られないよう泥や海藻で時計を覆う必要があったほどであった。

なお、現代においてもパネライの腕時計はイタリヤ海軍に納品されており、民間販売が解禁されている現状にあって、軍の機密指定は解除されてはいるものの、イタリア海軍特殊部隊(COMSUBIN)員が実際に使用している時計がなんであるか質問したところ、圧倒的にカシオのGショックであるいう笑い話もある。

パネライ ルミノール サブマーシブル 1950 カーボテック 3デイズ PAM00616

まずは聞きなれない“カーボテック”であるが、これは時計のケース素材として使われてきたことがなかったカーボンファイバーをベースに有機ポリマーを混ぜた複合素材で、起伏のある木目のような独特のカーボン模様が特徴的であり、同じ模様は二つとないことが魅力である。

カーボテックを成形するには、カーボンファイバーの薄いシートをハイエンドポリマーであるPEEK(ポリエーテル・エーテルケトン)を結合剤として重ねてゆき、温度管理のもと高圧をかけることで圧縮形成される素材であり、軽量性はもちろん、耐腐食や耐久性はセラミックやチタンよりも高く、アレルギーを起こしにくい点などが腕時計素材として最適といえる。

サブマーシブル 1950 カーボテック PAM616 の時計自体の機能としても伝統の防水時計として300m防水や逆回転防止ベゼルの搭載、デイト表示に加え72時間のパワーリザーブを備え、文字盤中心下部にはカーボンテックの英語表記“CARBOTECH”や9時位置のスモールセカンドには通称“パネライブルー”が使用され、インディックスの夜光塗料にはあえてエイジングを表現した薄茶色のルミノバが使用されるなど、他のパネライの時計と比べてデザイン的に特徴的なところがある。

またカーボンテック素材には経年や仕様により“黒光りの光沢”が出てくることが特徴で、時がたっても古さを感じさせないことが特徴といえ、パネライは年間の時計生産量を限定することにより希少価値を高める傾向にあるため、本モデルはレギュラーラインナップの中でも希少性の高いモデルであるため、機会があれば是非一度手に取って見てもらいたいモデルである。