LONGINES ロンジン ハイドロコンクエスト L3.784.4.56.9
2022/06/15
数多くの万博博覧会で最も受賞数の多い老舗時計メーカー「ロンジン」
商品情報の前に、ロンジンの歴史を紹介しておこう。
“ロンジン”の名前を聞いたことがある方は多いだろうが、その歴史や経歴を詳しく知る人は少ないと思われ、ロンジンは最終的に、歴代万博で合計28個の金メダルを獲得し、「最も受賞数の多い時計ブランド」としての地位を確立している。
日本でもそれなりの知名度を誇る理由として日本競馬における「ジャパンカップ」(2014年以降)で公式時計として採用されており、正式の名称は「ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 ジャパンカップ」とされ、それ以外にも「国際体操連盟」「世界アーチェリー連盟」「国際スキー連盟」などのスポーツ関連の公式時計に採用されていることから、テレビやネットでもそれなりの知名度がある時計メーカーといえる。
ロンジンは、1832年に設立されたスイスの時計メーカーであり、社名はフランス古語で「花溢れ小川流れる野原」という意味で、他の老舗時計メーカー同様、懐中時計の製造で名をはせ、ロゴである「翼の砂時計」は1867年以降のモデルから採用され、ロンジンの社名とともに1889年に商標登録され、世界知的所有権機関(WIPO)に登録されている中では最も古い。
また、ロンジンの懐中時計は「アルベルト・アインシュタイン」が愛用したほか、第二次世界大戦前の「芥川賞」と「直木賞」の正賞にはロンジン製の懐中時計が授与された。
ロンジンは20世紀前半当初、世界初の“大西洋単独無着陸飛行”を達成した「チャールズ・リンドバーグ」の監修のもと“航空航法機能”と世界初のフライバック機能(クロノグラフ計測中においても計測を停止せずにクロノグラフ針をゼロ位置に戻せる)を搭載した腕時計を開発するなど高い技術力を持ち“パイロットウォッチ”として世界でも確固たる知名度を確保した。
ロンジンが開発したもっとも有名な機構としては、1931年に発表された「アワーアングル(時角)・ウォッチ」であり、GPSがなかった時代に針の位置とベゼルの目盛りから経緯度計算を容易にし、地理的な現在位置を正確に測定することを可能にしたことで、当時のロンジンには世界中のパイロットたちから注目され、第二次大戦下「バトル オブ ブリテン(ドイツ・イギリス空軍の戦いでドイツによるイギリス本土上陸作戦の前哨戦としてイギリスの制空権の獲得のために行われた世界最大の航空戦」を戦い抜いたイギリスに2番目に多く時計を納入したブランドといわれている。
1930年当時の「キャリバー12.68Z」、「フライバッククロノグラフキャリバー13Z」N、「フライバッククロノグラフキャリバー30CH」などは現在でも市場の評価も高く、クロノグラフのキャリバーを自社生産していたマニュファクチュール(自社一貫製造する時計メーカーを指す業界用語)として世界トップクラスの知名度を確固たるものとする。
クォーツショックによるロンジンの経営変化と方向性
高級時計として“パイロットウォッチ”の名声と知名度を誇ったロンジンであったが、1980年代に「セイコー」が水晶振動による正確な時刻を刻む「クォーツムーブメント」を発表したことにより、機械式時計の生産需要はわずか3%代にまで落ち込み、ロンジンもこの影響は避けられず、倒産こそ免れたものの他の時計メーカー同様にグループ化した「スォッチ」グループの傘下となった。
クォーツショック以前は、時計といえば機械式が当たり前の時代であったが、ジャン・クロード・ビバーの努力もあって機械式時計はクォーツでは表現できない機構やムーブメントが時計愛好家にとって芸術性やステータスの象徴として、現在ではクォーツ時計とは異なる市場で販売を続けることとなる。
LONGINES ロンジン ハイドロコンクエスト L3.784.4.56.9
ロンジンのダイバーズウォッチコレクションである「ハイドロコンクエスト」はねじ込み式リューズの採用やケースにリューズプロテクターを配置し、防水機能は300m防水を確保し、逆回転防止ベゼルは本格的なダイバーズウォッチの要件を満たす機能を確保している。
デザインはメーカーも公表している通り、男女兼用をうたっており、ロンジンらしい3本針のシンプルで洗練されたルックスはカジュアルにもビジネスにも使える時計であるいえ、耐傷性と耐久性に優れたブラック・セラミック製ケースとベゼルが特徴で、搭載ムーブメントである「Cal.L888」はひげゼンマイにシリコンが採用され、磁気の影響を受けずらく、優れた精度を実現している。
LONGINES ロンジン ハイドロコンクエスト L3.784.4.56.9 は比較的手の届きやすい価格帯でありダイバーズウォッチの男女兼用ということもあり、昨今人気のあるサーフィンやボディボード、ジェットスキーなどのマリンスポーツに最適なモデルといえるだろう。
また、ロンジンのひとつの特徴でもあるが、年配者にとってはロレックスやオメガなどが著名になる以前は知名度が高かったこともあり、若い男性や女性が着けると好感度がアップすることいわれ、玄人好みのブランドとしてのも人気も高く、同価格帯はオメガ・タグホイヤー・チュードルなどのブランドが注目されがちだが、歴史と強い存在感を持つロンジンを選ぶこともひとつの選択肢に入れることをおすすめする。