タグ・ホイヤー フォーミュラ1 × マリオカート リミテッドエディション クロノグラフ CAZ201E.FC6517

タグ・ホイヤーのモータースポーツにおけるスポンサー活動

タグ・ホイヤーの自動車レースにおける活躍は、クォーツショックで資金難となり、TAGグループ（現 Techniques d’Avant Garde）から資金援助を受け社名変更する以前の“ホイヤー（HEUER）”が 1971年 に F1 フェラーリのスポンサーとなったことから始まり（TAGは 1979年～1983年 までウィリアムズのスポンサーであった）、1984年 にはマクラーレンの要請でポルシェが開発した 1,500cc V6ターボエンジンの資金提供をしたのち、TAG からの資金援助を受けた1985年以降、マクラーレンは「TAG」のバッジネームを付けて参戦、それは2015年まで続くこととなる。

フォーミュラ1 モデルの登場は TAG からの資金援助を受けた 1985年の翌年 1986年 であり、TAGが F1 マシン用のセラミックターボチャージャーやレースカーの基幹部品製造のトップメーカーであったことからモータースポーツとパートナーシップを結び、同モデルの発表に至ったことは、クォーツショックで追い込まれていた同社において変革となるモデルになったのではないだろうか。

タグ・ホイヤーの歴史に関しては、以前の記事で紹介しているが、同社はもともとクロノグラフのストップウォッチ機能に注力しており、前述の通りモータースポーツとゆかりの深い時計メーカーであることを考えれば、ある意味ゲーム業界における知名度 No1“マリオカート”とのコラボモデルは当然であるといえなくもない。

以前の記事 タグ・ホイヤー モナコ クロノ キャリバー11 バンフォード CAW2190.FC643

また 2016年 からはレッドブルのスポンサーとなり活躍する一方、フォーミュラ1 モデルは アイルトン・セナ、片山右京、キミ・ライコネンなど F1 ドライバーの名前を冠したモデルも多数発売している。

スーパーマリオ コラボの第二弾

2021年 突然、任天堂のスーパーマリオとタグ・ホイヤーがコラボして コネクティッドウォッチ（いわゆるスマートウォッチ）である SBG8A13. EB0238 が、世界限定2,000本で発表され、第二弾として今回紹介する マリオカートとコラボした CAZ201E.FC6517 が 1年後の 2022年 に発表されることとなる。

第一弾である SBG8A13. EB0238 は通常のインターフェイスを黒ベースの赤と青がアクセントとなったクロノグラフ的なデザインとし、コネクティッドウォッチ 機能として、時計以外に歩数計、GPS、心拍数、音楽など多様な機能を搭載いるが、歩数計では目標歩数の達成率により、キノコを食べる、無敵状態（スターを取得）スーパーマリオブラザーズ のゴールであるポールを登るなど、ゲーム機能として楽しませてくれる。

第二段である CAZ201E.FC6517 にも遊び心は受け継がれたようで、文字盤の日付窓では5の倍数日で数字ではなく マリオカートのキャラクターアイコンが表示されるという斬新な機能が搭載されており、キノコやバナナ、スターや亀のアイコン表示で遊び心をくすぐる機能が搭載されている。

それ以外にも、コラボモデルということもあり、黒を基調に マリオ のパーソナルカラーである“赤”を9時位置のインダイヤル枠やリューズの“Ｍ”クロノ針などに採用しており、デザインとしてもインダイヤルにカートに乗ったマリオを配置するなど、キャラクターのワンポイントとして目立ちすぎないデザインとなっている。

セラミック製タキメーターベゼルには夜光塗料の スーパールミノバ が塗布され、文字盤デザインにはカーボン調の“市松模様”を採用、ムーブメントはタグ・ホイヤーのフラッグシップである「キャリバー16」を搭載し、ムーブメントを収めるケース裏面には、カートに乗ったマリオのシルエットが刻印され、さらにはベルトまでマリオカートにおけるアイテム“亀の甲羅”の型押し模様が施されたカーフストラップであり、プッシュボタン式のバックルには、リューズ同様 Mario の“Ｍ”が透かし彫りされているなど、コラボモデルにふさわしいスーパーマリオ徹底モデルといえる。

世界のマリオとのコラボレーションモデル

スーパーマリオのファン、もしくはマリオカートで遊んだことのある世代であれば“面白い”と興味をもってもらえるモデルであるが スーパーマリオ や マリオカート 世代でなければノスタルジーを感じるモデルではないかもしれない。

ただ、世界限定3,000本 と比較的生産数は多いものの、タグ・ホイヤーの通販サイトで販売されたことから海外所有者も多数いるのではないかと思われる。

なぜならば“マリオ”の名前はギネスブックで「ゲーム史上世界でもっとも知られているキャラクター」とされ、米国で実施された子供人気調査でもミッキーマウスを上回る人気を獲得したキャラクターであり、世界で知らないものはいないと言い切れる“マリオ”とコラボしたモデルだからだ。

現状、未使用品であれば定価を超える価格で販売されており、値下がりしていない状況を考えれば、日本が誇る“マリオ”のファン、タグ・ホイヤーファンであれば是非手に入れておきたいモデルといえるだろう。